付録の愉しみ 1

文庫本の巻末には付録がある。
時折りボーナストラックのように、あとがきや
解説だけでも個別の作品として味わえたような
文章に巡りあう。

たとえばその中のひとつ。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」新潮文庫、
平成2年版の巻末に、井上ひさしの
「つめくさの道しるべ」がある。
近代の東北をめぐる、もどかしい思い。
たった5頁半、とても清々しいのに
重みのある一遍。

30.Jul.2012